公共経営論特講(後期)が開講されました。
「公共経営論特講」は、昨年から始まった新入生対象の授業です。前期・後期にそれぞれ1日かけて、一般財団法人京都フォーラム実践部会有志(オーナー経営者40~20人)と一緒に、グループディスカッションやワークショップを通じて、公共とは何か、経営とは何かを学びます。
2年目の後期授業のテーマは「社会構造の根本的変革と萩市活性化の展望」で、9月23日(金)、20人近い市民も参加して、開講されました。
午前の部は「自己変革(能変)~どんなふうに自らを変えてきたか~メタ認知の観点から」をテーマにして、矢﨑勝彦京都フォーラム理事長による問題提起に続いて、荒木一彰(京都大学大学院経済学研究科博士課程)、小川千賀子(㈱デザインクラブ社長)、島野和弘(スリーナイン島野㈱社長)、竹中英俊(元東京大学出版会常務理事・編集局長)の各氏が自己変革の歴史を語られました。その後、聴講した市民を交えて、自己変革について様々な意見が活発に飛び交いました。
矢﨑勝彦 京都フォーラム理事長
荒木一彰氏(京都大学大学院経済学研究科博士課程)
午後からは「学びの活性化に関する総合討論」が行われました。
午後の部は「学びの活性化に関する総合討論」をテーマにして、原田学長が、既存の「マーケティング実習」の内容を「田町商店街活性化プロジェクト」に変えて、課題解決型学習を推進した経緯を説明した後、学生4チームが、それぞれ20分かけて成果をスライドショーで発表しました。
学生たちは、最初は授業内容に対して「なぜ?」と疑問を抱いていたが、インタビューやアンケート調査で田町商店街の人たちと親しくなっていくうちに、「本気でなんとかしたい」という気持ちが芽生え、今では卒業まで活性化に関わっていきたいと思っている、と真剣に胸の内を語りました。
指名討論では坪内知佳・萩大島船団丸代表から、何事も他人任せではなく自ら取り組むという姿勢を持てというアドバイスを受け、また総合討論では小川社長や矢﨑会長から今後のプロジェクトの進め方に対して、短所を直すよりも長所を伸ばせといった実践的なアドバイスを受けました。
授業終了後は、恒例となった記念写真撮影を行い、バスに乗って帰る講師陣に手を振ってお見送りしました。
なお、学生たちの発表については、竹中さんの感想文をお読みください。
元 東京大学出版会 常務理事・編集局長 竹中英俊様より講評を頂きました
至誠館大学「公共経営論特講」について
2016年9月23日
昨22日午前は、至誠館大学で一年生を対象に「公共 経営論特講」でオムニバスの講義をした。私は、本居宣長の『古事記伝』の江戸時代の板本を学生に手に取ってもらいながら、『古事記』以降の日本語を取り上げ、多文化の交流と混交の中で現代日本語があることを話しました。
午後は、学生たち数グループの萩の街の「マーケティング実習Ⅰ・Ⅱ(商店街活性化プロジェクト)」のインタビュー調査報告と体験報告を聞きました。
学生たちは、自分が街の活性化に対して何かできることがあるのだろうかという疑問を抱きつつインタビュー調査をしたのですが、解決策は見出せないながら、街と街の人との関わりの自己意識が大きく変化していく様を率直に報告していて、感動しました。このような自己変革こそが教育の根本である――そのことを目の当たりにする思いをしました。
このような教育実践に勤しまれている至誠館大学の先生方はじめ関係者の方々に敬意を表します。