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至誠館大学ブログ

10月12日(火)地域公開講座「需要と供給から見える経済取引の効用」


令和4年10月12日(火) 明倫学舎で、10:30から12:00まで後期第2回目の至誠館大学地域公開講座が開かれました。今回の講師はビジネス文化専攻の山田聰亮講師です。

今回のテーマは経済学でした。現代の経済学は、1776年にアダム・スミスが著した『国富論』から始まると、一般には言われています。しかし、それから約100年後、わが国の明治時代初期にあたる1870年ころに方法論上の大きな転換がありました。幕末の黒船来航以来、わが国は西洋の先進性に驚愕し、それを自分のものにしようと努力しました。このような当時の西洋の発展は、現地においても驚愕に値するものでした。そのような高度な文明を可能にした知識の体系に「物理学」があり、当時の政治経済学(political economy)はスミス以来の「古典的」な方法から脱却し、物理学の方法を取り入れることで、あらたな経済学の在り方を模索しました。それが、今日全国の大学等で教授されている「経済学(economics)」の出発点となります。当時の物理学が「テコの理論」を出発点としていたことから、経済学も「消費から得られる満足」から出発して、需要と供給の理論を打ち立てました。講座では、さらに余剰分析という考え方を紹介し、需要曲線と供給曲線の見方を解説しました。

(古い経済学(political economy)から新しい経済学(economics)を打ち立てた当時の経済学者の言葉)

Nevertheless, I obtain from the mathematical principles all the chief laws at which political economists have previously arrived, only arranged in a series of definitions, axioms, and theories almost as rigorous and connected as if they were so many geometrical problems. (W. S. Jevons) (それにもかかわらず、私は政治経済学者たちがこれまでに到達したすべての主だった法則を数学的原理から導き、まるでそれらがほとんど数ある幾何学の問題であるかのように、厳密でかつ互いに連関した定義、公理、定理の組というただそれだけの形に整理したのである。翻訳:山田聰亮)

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