令和3年11月26日(金)、萩市須佐総合事務所大会議室で、李文相教授が「韓国の民衆芸能にみえる喜怒哀楽がおもしろい!」をテーマに至誠館大学出前講義を行いました。
韓国伝統芸能のパンソリやタルチュム(仮面劇)に、儒教精神を根本とする朝鮮時代の身分社会で生きた民衆の喜怒哀楽が描かれていることや日本の芸能との比較の中で似て非なる異文化について説明しました。
中でも、朝鮮時代に男尊女卑の社会通念のもと女性は差別と抑圧の対象にされたことや、その根本精神に儒教道徳があったこと、そして国際政治に翻弄され分断国家となった戦後の韓国においては、経済優先の軍事独裁政権が長く敷かれ、儒教精神はそのまま放置されてきたことを理解する必要があるということにも触れました。
タルチュム(仮面劇)や人形劇など韓国の伝統民衆芸能は、社会的に批判する力のない庶民層や大学生たちが“遊び”に似せて体制側を批判し風刺するツールであったということです。講義の終わりに映像によるタルチュム(仮面劇)の鑑賞が行われ、仮面の滑稽な表情や思いっきり風刺を込めた踊りの場面では会場で笑いが湧きました。
講義後、参加者から、間接的表現が多い日本に比べ韓国の仮面劇では直接的な感情表現や仕草が多用されていることなど、韓国の芸能についての質問や意見等が述べられ、盛況のうちに終了しました。